南フランスのプロヴァンス。降りそそぐ太陽、輝く街並みと大地、美しく豊かな自然、色鮮やかな花や木々・・・。そのイメージは人それぞれでも、誰もが憧れのリゾートを思い浮かべるのではないでしょうか。その実、多くの芸術家たちが愛し、世界中の人々を魅了し続けています。
私たちは、このラビスタ富士河口湖をつくるにあたり、プロヴァンスをモチーフにしました。そして、その魅力に踏み込み、丁寧に調べ上げるうちに、私たち自身がどんどん惹かれていったのです。知れば知るほど虜になるプロヴァンス。その魅力の一端を、このラビスタ富士河口湖に取り入れました。プロヴァンスをもっと知れば、ここでのひと時がもっと素敵なものになるかもしれません。
プロヴァンスがあるのはフランスの南東部。多くの人が思い浮かべるプロヴァンスは、”プロヴァンス・アルプ・コートダジュール”という行政区の全域でしょう。ところが、もともとのプロヴァンスは、その中の”ブッシュ・デュ・ローヌ県”、ヴァール県、アルプ・ドゥ・オート・プロヴァンス県”の3県です。もともとの、と敢えて書いたのは、プロヴァンスという名称がローマの属州という意味の「プロヴァンキア・ロマーナ」に由来しているから。
そして、その地は中世、プロヴァンス伯家の領地としてプロヴァンス地方と呼ばれていたのです。
プロヴァンスは紀元前6世紀から何度もギリシャやローマの侵攻を受け、その支配下にありました。その影響は、特に文化面で色濃く残っています。
11世紀以降にはロマネスク様式の大聖堂や教会、修道院が多く建てられました。
12世紀になるとプロヴァンス伯家が誕生します。以後しばらくは、その領地として独立性を保ち、独自の文化や伝統、言語を培いました。そして、15世紀末にはフランスに併合され、現在は穏やかな姿を見せています。
小高い山や丘の上に、身を寄せるように建ち並ぶ家々・・・。プロヴァンスを象徴する景色のひとつですが、この背景には辛くきびしい歴史があります。古くからギリシャやローマ、さらにはスペインなどの外敵に攻め込まれたため、身を守る必要があったのです。
見晴らしの良いところに居を構えたのは、外敵の動きを見通して、攻撃に備えるため。さらに、周囲を岩や石の外壁で取り囲み、城塞としていたのです。
この、かつての城塞都市は、いまも昔のままの姿を残しています。
そして、眼下に広がる美しいプロヴァンスの景色が見わたせる絶好のロケーションとして、訪れる人たちを愉しませているのです。
印象的なプロヴァンスの風景。もうひとつは、色鮮やかな花々や草木ではないでしょうか。緑、赤、黄、紫・・・。1年を通じて彩りが絶えません・・・と言いたいところですが、地中海からアルプスの裾野まで広がっているプロヴァンス。意外にもきびしい冬が訪れる地域も少なくありません。
それでも、花が咲き始める頃になると、人々の顔も輝きを増します。マルシェ(市場)に並ぶ果物や野菜も、色とりどりに賑わいます。そんな色彩に囲まれているからでしょうか。プロヴァンスの人たちは、草花を軒先や窓にあしらうのがとても上手。原色を使った生地、繊細なレースをあしらった民族衣装など、見た目にも日々の暮らしを心から愉しんでいるのが分かります。
映画や小説の舞台にもなっているプロヴァンスは、何人もの世界的な画家が愛した地でもあります。
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホは印象派の影響を受け、陽光と色彩を求めてプロヴァンスにやってきたといわれています。病に伏してもなお、この地で創作活動を続けていたことはあまりにも有名です。
ポール・セザンヌも、生まれ育ったプロヴァンスで描き続けることにこだわった後期印象派の画家です。19世紀の画家たちの多くがパリを中心に活動する中、毎日のように地元サント・ビクトワール山を描き、独自の絵画表現を獲得。のちに近代絵画の父と呼ばれます。
芸術の薫りは絶えることなく、いまでも美術館や博物館があちこちに点在。民家にもアイアンワークの装飾を施した門扉や手すりなどが多く見られ、プロヴァンスの人たちが意匠や造作にこだわっている様子がうかがえます。
景色や雰囲気だけでなく、プロヴァンスの文化、歴史、伝統も踏まえてつくり上げたラビスタ富士河口湖。プロヴァンスの城塞をメイン・コンセプトに、四季折々の花や緑、アーチ状の瓦屋根、曲線を帯びたアイアンワークなどをあしらうことで、重厚感と優雅さを融合させています。南仏プロヴァンスの薫りの中、ラビスタ富士河口湖でしか味わえないひと時をお過ごしください。